わずらう

雨音が聞こえる。

私は、自分の中から絶えず湧出するものに
今夜もまた、煩わされている。

∞

寝ても覚めても頭から離れない。
意識のある時間の、実に９割近くを、そのことが。

昨年、自分で期限を切った。
それは、１００％、私自身のために。
だけどもう、殆どそのラインを通り越しそうだ。

１年前の私は、今の私のこの状況を予見していた。
だからこそ、期限を切ろうと決めたのだ。
それなのに、私は。

ただ、この状況は、少しだけ想定外。
だからこそ、今の私は思い悩む日々を送る。

「こんなの初めて」
その積み重ねでここまでまる２年。
自分が思うよりも、自分ははるかにオトメだったと思い知り。
水たまりに膝を付き、泣きながら知る甘くほろ苦い味。

 

“拘泥”という言葉を知った。

 

３年目に入って、私は何か変わるんだろうか。
治療法のわからない病を患ったまま。

いや、治療法はわかっているけれど
その薬、なかなか入手できない。

∞

欲しいものはもう、ほとんど持ってる。

この６月を指折り数えて私は、
もう失うものなんてないことに気付く。
どうしても拘りたいものならば
もう、そこに擦る時間なんて、惜しくない。
期限とか、もはや気にせずとも。

その先にあるのが、光の扉か氷の扉か。
どちらであっても甘受すると決めることができるのなら
失うもののない私は、もう、この道を
前だけ見て進んでいける。 

 

　　　ざわついた人ごみに取り残され　　　行くあてもないままに過ぎゆく時間

　　　とめどない空回りに　　　いつか終わる恋の予感

 

“恋の病”とか、鼻で笑ってしまうけど
罹患してみると、全く以て笑えない病気。
生きてる実感と、生きたい欲望と、いろんなエゴと
私にとってありえないほどのパワーを生み出す、
その奇蹟のような病原。

映画のエンドロールを観ていて一瞬、
飛行機のシートに座るその人の姿が見えた。

私は、何を与えてあげられるのだろう？
何をしてあげたらいいのだろう？
何かしたい、与えたい。
私がもらうばかりではなくて。
常に考えているのに、答えは混沌とした靄の中。

あなたのいない日本はつまらない。
日本にいても、会えるわけでもないし、話せるわけでもないし
触れられるわけでもないし、何も変わらないのだけれど
でも、安心感？守られ感？？
ちょっとニュアンス違うな、何だろう、いい言葉が見つからないけど、
そういうのが違うんだ。

会えないし話せないし触れられないし何とも思われてないし
その微妙な空気感で何が生み出せるのかちっともわかんないけど
全能感？言い過ぎか。
でも何だろう、「無敵の香り」ってそういうことなんじゃない？

そういうことなのかも…？？

支離滅裂な自分を見る機会ってあまりないから
そんな自分に煩わされている。
何かに魅入られてしまったのかな。

“不治の病”を患う自分。
私は、自分の中から絶えず湧出するものに
今夜もまた、煩わされている。

 

わずらう、患う、煩う…、

 

ああ、そして今もこうして雨音が聞こえる。

コメント 3

迷わず行けよ、行けばわかるさ。ダーーー！
by keisuke (2010-06-19 06:30) 

keisukeさん、nice! ありがとうございます♪
猪木ですねー(^-^)
行けばわかるのかなぁ…もう結構行ってるつもりなんですが。
by ねいびー (2010-06-19 11:47) 

takemoviesさん、nice! ありがとうございました♪
by ねいびー (2010-06-19 11:48)