“母”へのラブレター：副会長の気儘な日記　PartⅡ：SSブログ

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“母”へのラブレター　[お仕事関係] [編集]

前記事に書いたとおり、
うちのバイトちゃんは今月いっぱいでの退職が決まった。
いろいろ手が離せない日々の中、
ダンナさんが休みを取れる日に、私物を片付けに来ることに。
でもその日は、私が唯一取れる夏休みの日。
会えないじゃない（悲）

先日、昼過ぎにバイトちゃんから電話が入った。
「アンタ、今日は午後はいるの？だったら今から行くから」
私がいないときに私物を整理して挨拶もなしにいなくなってしまうのは
夜逃げみたいで何か違うだろう。
そう思ったから急遽、私がいる日に顔を出してくれることにしたそうだ。

私がバイトちゃんに餞別の菓子折を用意しようと思っているというのは
前記事に書いたとおりなんだけど
彼女はこのとき、私にゴディバを持ってきてくれた。
先を越された…私もゴディバを買おうと考えていたから。
“母娘”はやはり、気持ちが通じている？

好きな人に差し入れするときは、無難な路線ということもあり
そこそこ高い確率でゴディバを持って行く私。
だが、自分ではゴディバなんて試食程度にしか食べたことがない。
“母”は、そんな私の事情をよく知っているから
おそらくわざわざゴディバを選んだのだ。

片恋の経過も聞かれたので少々話したが
「ムカつく。そんな男、３番目くらいに格下げしなさい」って。
ハハハ…それができれば苦労しないよ。
今の私には、１番しか存在しないんだもん。

この日は滞在１時間足らずで、バイトちゃんは帰っていった。
彼女の留守中、赤ちゃんを病み上がりのお嬢さんがひとりで見ているから
それがずっと気になって、不安なんだろう。
娘が具合悪いときの母親の心境というのは
私も自分のおかんを見ていたのでだいたいはわかる。

帰っていくバイトちゃんを見送りながら、不覚にも涙が。
客商売なので、オンタイムなのに泣くわけにはいかないのだが。
バイトちゃんから「夜、ちゃんと寝るんだよ」って言われた。
彼女には、私が少し痩せたように見えたそうで
夜、そんなに寝られていないことまでお見通し。
“母”はさすがだ。

♯

私からのお餞別は、先を越されてしまったゴディバはやめにして
いろいろ考えた末、グラマシーニューヨークのものにした。
これを直接渡すことはできないので、手紙を添えることに。
ある意味、最初で最後の“母”へのラブレター。

そして今日の午後、私はパソコンに向かってお仕事してるフリして
ラブレターの草稿を書いた。
このパソコン、お客さまからも見える位置にあるのだが
書きながら泣いていた私。ヤバいです。

プリントアウトした草稿を見ながら手書きした手紙は便せん３枚。
長すぎず、短すぎずでちょうどいいかなと思った。
思いを盛りきれなかった感はあるけど…今書ける精一杯。
因みに使った便せんは、５年前にＹ技師さんのために用意したもの。
この便せん、切ない手紙ばっかり書いている気がする。

今、バイトちゃんのデスクの上はダンボールが積んであるけれど
私が次に出勤するときにはキレイに片付いているはず。
それを見て、また激しい喪失感を覚えて、
私は泣くんだろうな。
ここ数年、私は本当に涙もろくなったと思う。

だけど、こんなにあっけなく別れのときが来るなんて
思ってもみなかった。
言ってみれば、Ｍくんにフラれたときより悲しいかも。
あのときよりも確実にたくさんの涙が出てる気がする。
（ていうか、あの夜はそもそも泣かなかったし…）

もう会えないのかなぁ…そんなことないよね？
パソコンもケータイも持っていない彼女とは
今後、連絡が取りづらくなる（なんせ私は無類の電話嫌い…）

どうやら私は、ここからほんとうに孤独な闘いを強いられる。
どうせ次のバイトなんて、なかなか決まらない。
でもお客さまは日々やってくる。
泣いてる場合なんかじゃないんだ。

スワだって借金１９から甦ってきたじゃん。
私だってがんばる。
私の好きな人もがんばっているから。
バイトちゃんもがんばっているから。

でもまだあきらめてない。
今すぐは無理でも、いつか戻ってきてくれたら、と思う。
その日まで私はがんばる。

…ちょっと「がんばる」って言い過ぎかなぁ？
でも、他の言い回しが見つからないんだよね。
貧困ボキャブラリー。ダメダメな自分だ。
でも、がんばる。
結局のところ、今言えるのはそれだけ。