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青天の霹靂 [病気]

最近太ってきたなぁって思い始めたのは2月10日前後だったかなぁ。
鏡に映る自分の腹が、目に見えて前にせり出してきてて。
でもその頃は土日の度に外食してて、食べすぎで太ったと思ってた。

2月18日前後、あまりにも太ってきて
ズボンのファスナーやボタンがきつくなって。
その頃、これは何かがおかしいかもと思い始めた。
何かを食べて、満腹を感じるのがとても早い。食欲はあるのに。
この頃から生活に支障を来し始めて、ネットで該当する病気を探し始めた。
過敏性腸症候群を疑い始めたのはこの頃。
ただし、下痢でも便秘でもないからちょっと違う…とも思っていた。

バイトさんの知り合いに機能性ディスペプシアの方がいるそうで
聞いた限りはその症状が自分のそれととても似ている気がした。
ただ、この病名は他の病気を除外してなお病名が判明しない場合に付くもので
いろいろな除外診断をした後でないとたどり着けない。

うーむ。とにかく消化器を専門としている医者にかかろう。
そう思って、ネットで検索した自宅近くの消化器内科クリニックにかかったのが27日。
問診やレントゲン、エコーに血液検査。
先生が血相を変えて「これはおかしい」と言い出して
私が大酒飲みではない(=肝硬変ではなさそう)ことを確認した後、
「腸がぷかぷか浮いてる」「水なのか血なのかはわからない」
「これは腸捻転か大腸がんかも知れない。緊急手術が必要になるかも」
「今すぐ紹介状を書くから、すぐに外科の病院に行って」と。

そんなに大ごとなのかと私はこの時点でようやくドキドキし始めたんだけど
ここの先生は紹介先の外科医に電話をしてくれて
万が一緊急手術になった時のための病床の確保までやってくれていた。
消化器内科クリニックに行ったのはかなり見当違いだったけど
最初にいい先生にかかれて、これはこれで正解だったのかなと思う。

緊急手術になれば同意書にサインする家族が必要ということで
たまたまこの日は休みで映画に行こうとしていた弟が駆けつけてくれた。
紹介された総合病院に駆け込み、そこで問診などのあと、
採血やらレントゲンやら造影CTやらやって、また外科外来へ。
で、CTの結果を見ながら先生が、「これは婦人科だね」と。

誰が見ても、腫れているのは卵巣だか子宮だった。
腸は腹水に押されてぺったんこだと先生が。
少なくともCT的には腸には何の異状所見もなかったみたい。
「たぶん卵巣腫瘍だね」という先生に「それは卵巣がんということですか」と
突っ込んで聞いてみたら、すぐに肯定された。
がん告知ってこんなにあっさりやっていいんかい(苦笑)
不意打ちで姉の2回目のがん告知を聞く羽目になってしまった弟に申し訳なく思った。

ちなみに、この先生も説明の要所要所でちゃんとこちらの目を見て話してくださり、
いい先生なんだろうなぁというのは感じられた。
でもここの病院には婦人科はなかったようで、再びの紹介状となった。
乳がんでかかった病院に行くべきかとも思ったが
そちらの主治医はヘッドハントで勤務先が替わっているから意味がないし
主治医の今の病院は家からも勤務先からも通いづらい立地なので
今後の通院を考えたら今回は地元の病院にしておいた方がいいかなと思い、
地元でいちばん大きい公立病院宛てに紹介状を書いてもらった。

公立病院なので土日は診察はやっていないわけで、
実際に病院に行ったのは2月29日。有休消化でたまたま取っていた休暇だった。
紹介状はあっても初診なので、まー待たされた待たされた。
そこで問診、持参の画像データチェック、内診で子宮がん検査、
採尿採血に心電図、MRIを撮り、 抜いた腹水をサンプリングして病理検査へ。
ここでMRIの画像を早見したけど、前医でのCT画像と矛盾しない結果だった。
腫瘍マーカーもとんでもない高値をたたき出しており
ほぼ、卵巣がんで確定。
MRIをシロウトである私が見た感じ、腫れている右の卵巣と子宮の間に
もにょもにょとした何かが写っている。うーん、これは腹膜播種かなぁ。

この時点で、治療方針としては術前化学療法→手術→術後化学療法と説明された。
腹水の溜まり具合から言って、いま開腹しても、がんを取りきれない可能性があるからって。
となると、年内いっぱいはがっつり治療漬けになるのかも。

家に帰ってからスマホでググって知ったけど、卵巣がんって進行が速いくせに
自覚症状が出ないことが多く、多くの場合は腹水が溜まって受診するらしい。
サイレントキラーとか言われるタイプのがんなんだってさ。
私の場合も、日常生活に支障が出てから受診するまで1週間半くらいなのに
あっという間にこの状況だからね。
そんなだから、受診時点でⅢ期とかⅣ期になっていることも少なくなく
だけどステージは手術してみて初めて確定するということらしい。
乳がんの時とはいろいろ違うのね。

ただですね。
卵巣がんはⅡ期とⅢ期では5年生存率がだいぶ違うんだよね。
心の準備をしたいので、早くステージを知りたい。
あのMRI画像からシロウトの私が考えるに、これは最低でもⅢ期には達してそうなので
私は5年後に生きてるかどうかわからん。
乳がんの時はⅢa期だったけど、自分は生きてる方に入るって心から信じていたし
実際に生きている方に入ったけど…、
今回は何とも言えない。

いっぱい勉強して覚悟して臨んだ前回とは違って
今回は完全なる不意打ちでのがん告知だっただけにまぁ、動揺もしてますよ。
前回は事前にいろいろ調べてこの先生!って選んでかかったけど
今回は何の知識もなく立地だけで決めた病院だし。
もちろんどこであっても闘うし、すぐ降参しちゃう気はないけど
今は無条件で強気ではいられない。

てか、ヨワッキーです。さすがに。
東京オリンピックは、たぶん見られないかなと思ってたり。
(オリンピックそんなに興味ないから別にいいか…)
今から走って追いかけたら、英樹に追いつけるかなとか考えたり。

乳がん術後11年、無事に乗り越えて
私はもう大丈夫だと本気で、心の底から信じていたのにな。



で、3月7日、腹水の病理検査の結果を聞きに行き、卵巣がんで診断確定。
一緒に来た両親は、私の前では平気な顔をしていたけど
ふたりにはほんとうにほんとうにほんとうに申し訳なく思っている。
なんて親不孝なんだろう自分。
手術は開腹で、子宮も卵巣も卵管も全部取っちゃうことが決まっている。
私はもう自分の子供を持てる可能性は完全に失うし
(まぁそれでなくても年齢的にすでにだいぶ可能性は低いけどさ)
さすがにここまでボロボロになると結婚は無理だろうなぁ。
それ以前に、きっと親より早く死ぬことになるんだろうなぁ。
そもそもこの日は、本来なら両親と海外旅行中だったはずなのに。

私の脳みそは男物なんだよね、と思っていたけど
私のからだは自分が女性であることをアピるかのように
女性ならではのがんにこうして2つも罹るわけです。
うまくできてるよ。
ちなみに、乳がんが卵巣に転移するというのは考えづらいので
今回のがんは転移ではなく卵巣原発だと思われるわけで、
なのでダブルキャンサーということになるのだね。

ふぅ。盛りだくさんな人生だ。オモロすぎるだろ。
美人薄命って言うじゃん。薄命なのはやぱ美人じゃないとダメだよな。
私は美人じゃないから、薄命じゃないんじゃね?
ダメかな、この考え方。
どう思う?

☆☆

通ってるのは、産婦人科なわけで
腹水で腹ボテな自分の横に、妊婦さんとそのダンナがいたりするんだね。
その幸せいっぱいな姿を妬んだりするわけじゃないし
自分と対比して落ち込んだりするわけでもないけど
でもなんか残酷。
先生もスタッフも大変。
生まれくる新しい命と、消えゆく命を両方扱うなんて
心がおかしくならないんかなぁ。

とにかく進行が速いがんなので、診断がついたらすぐ投与したいとのことで
もうケモテラ始まってます。
末梢神経障害とか湿疹とか副作用はすでにいろいろ出ていて。
でも11年前みたいに吐き気で寝込んだりはしてないから、だいぶマシかな。
ケモテラしてても腹水はまだまだ溜まるからときどき抜きに行って。
たぶん来週あたりから、私はまたハゲ始めて。 

乳がんの時より長く険しい道のりになりそうな気配。
これからできるかぎり卵巣がんの勉強をして、精一杯治療に取り組む所存。
どんな場合でも、知識は大きな武器になると思ってるので。
5年生存率は低くても、決してゼロじゃない。
自分は生きてる方に必ず入るって、
今すぐは無理だけど、
いずれそう思えるようになれたらとは思ってる。

☆☆☆

若年性でトリプルネガティブの乳がんを吹っ飛ばして
元気に楽しく生きている姿を
病名などを検索してこのブログに訪れる、
多くの近い境遇の方の励みにしてもらえたらと思っていたのに
こんなところで落とし穴にはまるなんてなぁ。

まぁでもなっちゃったもんはなっちゃったんだし、もう後戻りはできない。
今後は、腹水を胃腸の障害と勘違いしちゃうアホな私のような
こっち系で近い境遇の方にも参考になるようなブログになっていければいいかな。
くよくよめそめそしてても前向きにがんばっていても1日は平等に24時間。
だったら、少なくとも楽しく生きていきたいなと思ってさ。 

ハゲ始めてからのケアを楽にしようと思って、先日おとんに髪を切ってもらった。
11年前もおとんに切ってもらったな。
髪が短いときに知り合った、ちょっと気になってた男の子に
違う髪型見せたいなって思って伸ばしてた髪。
ガマンして1年以上伸ばしてたのに、完全にムダだったな。
この春、1年半ぶりに会えるかも知れなかったのに。
もう、あの子に会える日は来ないかも知れないな。

生きるためなら髪なんて要らないし、そんなのどうでもいいけど
だけど、シパダンで1000本記念やるまで死んでたまるか。
まだ生・西島秀俊も見てないし。
まだまだ敦也さんにも会いたいんだ。

まだまだ死んでる場合じゃないんだ私は。


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カイナ

はじめまして。ねいびーさんに比べればひよっこですが、シパダン&マブール大好きダイバーです。諸事情がありここ数年旅行もままならなかったのですが、3年ぶりにマブールへ行くことになり、以前、よく読ませていただいておりましたこちらのブログを思い出しました。
久しぶりにページを開いたのが、ねいびーさんがご病気を告白された日ということもあり、思わず書き込ませていただいた次第です。
何も協力できませんが、治療が上手くいきシパダンで1000本記念ダイブができることを祈っています。乳癌を乗り越えたねいびーさんなら、きっと勝てます。
そしていつか、シパダンの海の中でお会いしましょうね。
がんばって下さい。
by カイナ (2016-03-17 18:48) 

ねいびー

カイナさん、はじめまして&コメントありがとうございます。
マブールに行くのですね。うらやましいです。
現地はいたって平和なはずなので、楽しんできてくださいね。

私は少なくとも1年は海外に飛ぶことはできないと思いますが
治療を終えたらなるべく早くシパダンに行けたらと考えています。
シパダンでの1000本記念はもちろんのこと、
まだまだいろんなこと、あきらめてませんよー☆
ぜひぜひいつかシパダンの最高な海でお会いしましょう。
楽しみにしています♪
by ねいびー (2016-03-24 08:22) 

ねいびー

足立sunnyさん、nice! ありがとうございました♪
by ねいびー (2016-03-25 10:01) 

ねいびー

ぼんぼちぼちぼちさん、nice! ありがとうございました♪
by ねいびー (2016-03-28 07:08) 

tomoco

ねいびーさん
ながくソネブロ放置していて、
こちらにもおうかがいしてなくて。
大変なことになっていたのですね。
驚いてます。動揺しています。。
変わりなく過していらっしゃるのだとばかり…。
長く気づかなくてごめんなさい。
その後お加減いかがなのでしょうか。
記事の更新待っています。
by tomoco (2016-06-05 14:48) 

ねいびー

tomocoさん、ご無沙汰しています。
「お互い一病息災で」と励まし合ってきたのに
こんな失態、残念でなりません(T_T)
が、病気してること以外はほぼ変わりないですよ。
今は術前の抗がん剤治療を終えたところで
2週間ほど後に入院→手術の予定です。

記事の更新が止まっているのは
抗がん剤治療の副作用で手足のしびれ&痛みがあり
キーボードが打ちづらいというのがいちばんの理由です。
今はまだ毎日働いてますが、入院時から病気休暇を取得し
手術後は実家に身を寄せて2,3週間は静養する予定なので
そのへんにはぼちぼち更新できればと思っています。

私は二病息災になっちゃいましたが
これからも変わらずよろしくお願いしますねー(^^)
by ねいびー (2016-06-07 14:03) 

tomoco

失態だなんて…。
不可抗力ですよー。
コメントいだたけて少しだけホッとしてます。
生きてるといろんなことありますね。
お互いいろんなことを上手く乗り越えていきましょう。
こちらこそこれまでどおりよろしくお願いします。
by tomoco (2016-06-13 14:47) 

ねいびー

tomocoさん。
確かに不可抗力かも知れませんが
振り返れば「あれも初期症状だったのかなー」というのが
ちらほらあったりするんですよねぇ。
生きてるといろんなヤ~なことありますが
闘病中でも楽しいことはあったりするので
ふさぎこまずに乗り越えていくつもりですよー。
by ねいびー (2016-06-15 07:29) 

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